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「むし歯になりやすい場所」と「なりやすい体質」のお話 — 歯と歯の間・歯の根元、そして唾液とフッ素のこと

「むし歯になりやすい場所」と「なりやすい体質」のお話 — 歯と歯の間・歯の根元、そして唾液とフッ素のこと
こんにちは。しみず歯科医院の院長、清水です。
診療の中で、私がよく患者様にお話しすることのひとつに、
「むし歯には、なりやすい“場所”と、なりやすい“体質”があるんですよ」
というお話があります。
「毎日ちゃんと磨いているのに、同じところばかりむし歯になる」
——そんなお悩みには、実はきちんと理由があります。
今日は、むし歯になりやすい部位のことと、なりやすさに関わる唾液のお話、そして毎日のケアで役立つフッ素について、患者様に語りかけるつもりで書いてみたいと思います。
むし歯になりやすいのは、「磨きにくい場所」です
まず知っていただきたいのが、むし歯は「汚れ(プラーク)が残りやすく、歯ブラシが届きにくい場所」からできやすい、ということです。
私が普段から特に気をつけていただきたいとお伝えしているのが、次の2つの場所です。
① 歯と歯の間
歯と歯が接している面は、歯ブラシの毛先がなかなか届きません。
ここは汚れが残りやすく、しかも外から見えにくいため、気づいたときには内側で進んでいた、ということも少なくない場所です。
鏡で見える表面はきれいでも、歯と歯の間に汚れが残っていれば、そこからむし歯が始まってしまうのです。
② 歯ぐきが下がって露出した「歯の根元」
もうひとつ気をつけていただきたいのが、歯の根元です。
歳を重ねたり、歯周病が進んだりすると、歯ぐきが少しずつ下がり、これまで歯ぐきに隠れていた「歯の根っこ」の部分が表に出てくることがあります。
この根元のむし歯を「根面う蝕(こんめんうしょく)」といい、年配の方に多く見られます。
なぜ根元がむし歯になりやすいかというと、根っこの表面は、歯の頭の部分を覆っているエナメル質にくらべてやわらかく、酸に弱いという性質があるためです。
そのため、頭の部分よりも比較的むし歯が進みやすいのです。
「若い頃はむし歯になりにくかったのに、最近になって増えてきた」という方は、この根元のむし歯が関係していることがあります。
歯ぐきが下がってきた部分は、やさしく、ていねいにケアしていただくことが大切です。
むし歯の「なりやすさ」には、体質も関係します
「同じように磨いているのに、自分だけむし歯になりやすい気がする」
——そう感じたことはありませんか。
実はむし歯のなりやすさには、毎日のケアだけでなく、生まれ持った体質も関わっています。
その代表が「唾液(だえき)」の性質です。
食事をすると、お口の中の細菌が糖分から酸をつくり、歯の表面が一時的に溶け出します。
このとき、その酸を少しずつ中和して、お口を元の状態に戻してくれるのが唾液です。
ところが、この唾液の性質——たとえば量が多いか少ないか、お口が酸性に傾きやすいかどうか、酸を中和する力(緩衝能)が強いか弱いか——には、お一人おひとり個人差があります。
正直にお伝えすると、この唾液のもともとの性質は、努力で大きく変えられるものではありません。
お口が酸性に傾きやすい方は、同じ生活をしていても、比較的むし歯になりやすい傾向があります。
これは決してご本人の努力不足ではなく、体質によるところが大きいのです。
ただ、ここで大切なのは、「体質だから仕方ない」とあきらめることではありません。
むしろ逆です。
むし歯になりやすい体質だとわかっているなら、そのぶん、後からできる工夫——毎日のていねいなケアや、フッ素の活用、定期的な検診——をしっかり積み重ねていけばよいのです。
変えられない部分は受け入れて、変えられる部分に力を注ぐ。これが、私が患者様にいつもお伝えしている考え方です。
毎日の心強い味方「フッ素入り歯みがき粉」
そこで、私が普段から患者様におすすめしているのが、フッ素の入った歯みがき粉です。
フッ素には、いくつかの心強いはたらきがあります。
ひとつは、歯の表面を強くして、酸に負けにくい歯質づくりをサポートしてくれること。
もうひとつは、ごく初期の、まだ穴があいていない段階のむし歯に対して、溶け出した歯の成分を戻す「再石灰化」を助けてくれることです。
さらに、むし歯の原因となる細菌のはたらきをおさえる作用も知られています。
とくに、先ほどお話しした「歯の根元」は酸に弱い部分ですので、フッ素で守っていただく意味は大きいと考えています。
毎日使うものだからこそ、フッ素入りのものを選んでいただくだけで、むし歯になりにくい環境づくりの助けになります。
フッ素をじょうずに使うためのちょっとしたコツ
すすぎは少なめに:歯みがきのあと、何度も強くうがいをすると、せっかくのフッ素が流れてしまいます。少量のお水で軽く1回すすぐくらいがおすすめです。
就寝前のケアを大切に:寝ている間は唾液が減り、お口が乾きやすくなります。夜のケアでフッ素を残しておくと、より役立ちます。
年齢に合った濃度・量で:フッ素の適切な濃度や使う量は、年齢によって異なります。とくにお子さまは量に気をつけていただきたいので、迷われたときはご相談ください。
「体質」と「場所」を知って、対策を選びましょう
今日お伝えしたことをまとめると、こうなります。
むし歯は「歯と歯の間」「歯ぐきが下がった根元」など、磨きにくい場所からできやすいこと。
そして、そのなりやすさには唾液という変えられない体質も関わっていること。
だからこそ、フッ素の活用や、届きにくい場所のていねいなケアといった「後からできる工夫」が大切だということです。
ご自身の唾液の性質やお口のリスクは、ご自分ではなかなかわかりません。
当院では、お口の状態を拝見しながら、どこに気をつければよいか、どんなケアが合っているかを、お一人おひとりに合わせて分かりやすくご説明しています。
歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間には、デンタルフロスや歯間ブラシを組み合わせていただくのもおすすめです。
ご自分に合った道具の選び方も、実際にお見せしながらお伝えしますので、どうぞお気軽にお尋ねください。
「同じところばかりむし歯になる」
「歯ぐきが下がってきた気がする」
「自分はむし歯になりやすい体質かもしれない」
——そう感じられた方は、ぜひ一度、お口の状態を確認しにいらしてください。
西武池袋線「富士見台」駅から徒歩2分、しみず歯科医院が、ご家族みなさまのお口の健康を末永くサポートしてまいります。
