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「食べ方」で、むし歯のなりやすさは変わります —「ながら食べ・だらだら食べ・ちょこちょこ食べ」にご注意を

「食べ方」で、むし歯のなりやすさは変わります —「ながら食べ・だらだら食べ・ちょこちょこ食べ」にご注意を
こんにちは。しみず歯科医院の院長、清水です。
診療をしていると、患者様からこんな声をよくお聞きします。「毎日ちゃんと歯みがきをしているのに、どうしてむし歯ができるんでしょう?」——実はこのとき、私がいつもお伝えしているのが「歯みがきの仕方」だけでなく、「食べ方」を少し見直してみましょう、というお話です。今日はその中でも、私が普段から特に大切にしている3つの「食べ方」について、患者様に語りかけるつもりで書いてみたいと思います。
お口の中では、毎日「小さな戦い」が起きています
まず知っていただきたいのが、お口の中で毎日起きている変化のことです。
私たちが食べたり飲んだりすると、その中の糖分をエサにして、お口の細菌が「酸」をつくり出します。この酸によって、歯の表面からカルシウムなどが少しずつ溶け出します。これを「脱灰(だっかい)」といいます。
ただ、ここで悲観する必要はありません。お口には、この酸を少しずつ中和して、溶け出した成分を歯に戻してくれる「唾液(だえき)」という頼もしい味方がいます。この修復のはたらきを「再石灰化(さいせっかいか)」といいます。
つまりお口の中では、食べるたびに「溶ける(脱灰)」と「戻す(再石灰化)」が、シーソーのようにくり返されているのです。このバランスが「溶ける」側に傾いた状態が続くと、むし歯へと近づいていきます。そして、このバランスを大きく左右するのが、実は「食べ方」なのです。
気をつけたい3つの「食べ方」
① ながら食べ
テレビを見ながら、スマホを見ながら、お仕事をしながら——。「ながら食べ」をしていると、つい時間をかけてだらだらと食べ続けてしまったり、無意識のうちに食べる量が増えてしまったりしがちです。食べることに意識が向かないぶん、お口の中が酸性の状態にさらされる時間も、知らず知らずのうちに長くなってしまいます。食事やおやつは、できれば「食べる時間」として区切って、しっかり味わっていただくのがおすすめです。
② だらだら食べ
一回の食事やおやつを、長い時間をかけてちびちびと食べ続ける「だらだら食べ」も注意が必要です。先ほどお話ししたように、食べ物や飲み物が入るたびにお口は酸性に傾きます。だらだらと口に入れ続けていると、唾液が中和して歯を修復する時間がなくなり、お口の中がずっと「溶けやすい状態」のままになってしまいます。とくに、砂糖の入った飲み物やスポーツドリンクを少しずつ飲み続ける、という習慣にはご注意ください。
③ ちょこちょこ食べ
「一回の量は少しだから」と、間食を何度もくり返す「ちょこちょこ食べ」。これも、回数が多いほどお口が酸性になる回数が増え、再石灰化が追いつきにくくなります。食べる「総量」が同じでも、5回に分けて食べるのと、1回でまとめて食べるのとでは、お口への影響は変わってきます。おやつは時間と回数を決めて、メリハリをつけていただくと、お口が休まる時間をしっかり確保できます。
この3つに共通しているのは、「お口が酸性にさらされる時間が長くなる」という点です。だからこそ私は、「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」も、同じくらい大切だとお伝えしているのです。とはいえ、間食そのものを我慢しましょう、という話ではありません。時間と回数を決めて、だらだら続けない——それだけで、お口の環境はずいぶん変わってきます。
食べたあとは、やさしく歯みがきを
食べ方を整えたら、次に大切なのが「食後のケア」です。食事やおやつのあとは、できるだけ歯みがきをする習慣をつけていただきたいと思います。お口に残った食べかすや汚れ(プラーク)を早めに取り除くことで、細菌が酸をつくり出す材料を減らし、むし歯や歯周病になりにくい環境づくりにつながります。
外出先などですぐに歯みがきが難しいときは、お口をゆすぐ、お水やお茶を飲むだけでも、何もしないよりは違います。まずは「食べたらケアする」という習慣を、少しずつ身につけていきましょう。
歯ブラシだけでは、実は6割ほど
ここでもうひとつ、ぜひ知っていただきたいことがあります。それは、歯ブラシだけの歯みがきでは、汚れを落としきれない場所がある、ということです。
歯と歯の間や、歯ぐきの境目の細かい部分は、歯ブラシの毛先がなかなか届きません。歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは十分に落としきれないといわれています。ここで力を発揮してくれるのが、デンタルフロスや歯間ブラシです。
デンタルフロスは、歯と歯がぴったり接している狭いすき間の汚れを落とすのに向いています。
歯間ブラシは、歯と歯の間に少しすき間がある方や、歯ぐきが下がってきた部分のお掃除に向いています。
「歯ブラシ+フロスや歯間ブラシ」を組み合わせていただくだけで、汚れの落ち方は大きく変わります。まずは1日1回、夜のケアのときからで構いません。慣れてくると、汚れが取れるすっきり感が、きっと習慣を続ける後押しになってくれるはずです。
どちらを、どのくらいのサイズで使えばよいかは、お口の状態によってお一人おひとり異なります。当院では、患者様それぞれのお口に合った道具の選び方や使い方を、実際にお見せしながら分かりやすくお伝えしていますので、「自己流で合っているか不安」という方も、どうぞお気軽にお尋ねください。
毎日の積み重ねを、私たちがお手伝いします
「ながら食べ・だらだら食べ・ちょこちょこ食べを避ける」「食後の歯みがき」「フロスや歯間ブラシの併用」——今日お伝えしたことは、どれも特別なことではありません。けれど、この毎日の小さな積み重ねこそが、10年後、20年後のお口の健康を大きく左右すると、私は日々の診療で感じています。
とはいえ、毎日のセルフケアだけでは、どうしても落としきれない汚れや歯石も出てきます。そうした部分は、定期的な検診とクリーニングで私たちがしっかりお手伝いします。ご家庭でのケアと、歯科医院でのケア。この両輪がそろってはじめて、お口の健康は守られていきます。
「最近、食べ方や歯みがきがちょっと気になってきた」
——そう感じられた今が、始めるのにちょうどよいタイミングです。
西武池袋線「富士見台」駅から徒歩2分、しみず歯科医院で、ご家族みなさまのお口の健康を末永くサポートしてまいります。どうぞお気軽にご相談ください。
